登山にストックは常識? ストックを持つ人が増えた理由
スキーや冬山登山では必須のストックですが、近年、一般的な夏山登山でもストックを持つ人が増えています。(正確にはトレッキングポールと呼びます)。
最近登山を始めた人の中には、ストックは山に持っていくのが常識のアイテムだと思っている人がかなりいることでしょう。
しかし、昔は夏山登山にストックを使って登る人なんて、あまりいませんでした。ストックなんてなくても、山には登れます。足場の悪い岩場などでは、ストックはむしろ邪魔にさえなります。
それではなぜ、多くの人はストックを使って山に登るのか? ストックを登山で使うメリットは次のとおりです。
- 膝への負担の軽減・・・ストックの使用により、足、膝、腰への負担を分散し、特に下り道でのひざやかかとへのショックを軽減するのに役立ちます。
- バランスのとりやすさ・・・足場の悪い道でバランスをとるための補助として役に立ちます。
近年山にストックを持っていく人が増えたのは、やはり中高年の登山ブームが原因だと思われます。中高年は膝に不安がある人が多いため、ストックを使用する人も多く、その結果ストックを持つ登山スタイルが一般的となったのかもしれません。
あるいは、中高年の登山ブームにのっとり、アウトドア用品店がトレッキングポールをガンガン宣伝し、売り込んだ結果とも言えるでしょう。お金を持っている中高年は、便利なグッズがあれば多少高くても購入してくれる、とっても喜ばしいお客様ですからね。
また、近年あちこちの山で登山道の整備が進んでいることも、ストック登山が増えた原因の一つかもしれません。ストックはある程度整備された登山道で威力を発揮します。藪に覆われた道、草や岩を手でつかみながら登る必要がある山などは、ストックがかえって邪魔になります。
ストックを使うデメリットと、ストックを使う上で注意すべき点
ストックはうまく使いこなせるようになると、確かに膝への負担が和らぎ、バランスもとりやすく、登山が楽になります。しかしデメリットもあります。
まず一つに、ストックを使うことで、登山道脇に生えている貴重な高山植物をつぶしてしまう恐れがあります。登山者の多い山の登山道脇を見てみると、ストックによってできた穴が無数に空いているのが確認できます。これが進むと登山道はえぐられ、山の自然破壊につながります。
また、岩場や急な斜面でストックに頼りすぎて転倒したり、人と接触したりするトラブルもよくあります。ストックは上手に使いこなさなければ、邪魔どころか危険な存在なってしまいます。
ストックを安全に使うために以下のことに注意しましょう。
- ストックはプロテクター(保護キャップ)をつけて使う・・・少しでも登山道に穴をあけるのを防ぐためです。
- 岩場など手を使って登るような道では、ストックは手に持たずザックなどに固定する・・・ストックで手がふさがっている状態は危険です。
結論として、ストックは登山に必要なのか?
私の考えとしては、基本的には山にストックは不要です(夏山の場合)。
ストックはあってもなくても山には登れます。しかし、膝に痛みがあって不安な人などは、ストックを上手に活用すればよいと思います。また夏でも大きな雪渓がある山などで雪の上を歩く場合は、あったほうが便利だと思います。
ストックの使い心地を知りたい方には、ストックのレンタルがおすすめ
ストックをまだ使ったことがなく、使い心地を知りたい方は、買わずにレンタルすることもできます。1泊2日で2,000円ぐらいからレンタルできます。
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